CAUTION!! このお話はいつも以上に読み手を制限するお話です。 スカ●ロまでは行きませんが、「あっちゃー!やっちゃった!」と唸ってしまう感じの。 話の内容はアホ丸出しなんですけど。 というわけで、どんな話でも許容できるわ!という勇者様以外はお読みにならないでください。 当方は責任を負えませんので。 不安を煽ってすみません! 色んなところで経験値をつんでこられたお姉さま方には、物足りないかも知れません。 前置きが長くなりましたが、お付き合いくださる勇者様はどうぞ。 honey trap あんのクソ藪医者ァァ…! 獄寺はいつになく険しい顔で並盛中学校保健室を目指した。本来この時間は授業に充てられているのだが、自身を襲った火急的危機の対処に追われて、それどころではない。10代目と慕う綱吉と共にいられないことが心残りだったが、元々成績は良いので、つまらない教師どもの授業など聞かなくとも、なんら試験に支障が無いのが救いだ。 春もそろそろ近づいてきたこの季節には、少し暑いだろうと思われるコートの裾を翻して、ドカドカと足音も荒く一目散に進む。そして目的地に到着。 「てめー、シャマル!! オレに何しやがったぁあああ!!」 怒りのままに保健室の戸を開け放つと、中で若い女教師と談笑していた男・シャマルが迷惑そうに視線を投げた。獄寺の派手な登場と、その怒りのオーラに不穏な空気を感じ取った女教師は、慌てて椅子から立ち上がる。 「では、私はこれで失礼しますね」と脅えたように獄寺の横をすり抜けていく彼女にも、「また今度ゆっくりお話しましょう」と名残惜しそうな笑顔でしっかり手を振り見送った保健医は、しっかりと閉まった戸を見てから再び口を開いた。 「よぉ、隼人。どーしたんだ?」 「どーしたもこーしたもねえ! てめー、昨日何飲ませやがった!?」 「ああ……あれか……」 すごむ獄寺に、まずは座れよと斜向かいのパイプ椅子を示す。顎の無精ひげを撫でて笑った。 女好きのシャマルが珍しいことに、男である綱吉、獄寺、山本の三人に差し入れだと言って、透明な炭酸飲料を渡してきたのは昨日のこと。 躊躇い無く「じゃあいただきます!」とごくごく飲み干した山本は放っておいて、シャマルが何の画策も無く、親切心で差し入れなどするはずが無い、と幼い頃からの生活で水面下の謀略に馴染みの深い獄寺は、綱吉が口を付けそうになるのを慌てて遮った。 可能性は低いが、万が一にでも綱吉に危害を加えられてはいけない。 しかし疑うことを知らない綱吉が飲みたそうにしていたので、「ちょっと栄養剤開発してみたんでな。試しに」と言うシャマルの言葉を丸々信用することはできなかったが、山本の「普通にうまいぜ」という感想と、毒見に一口飲んでみた自分の味覚が、ただのサイダーがちょっと薬品臭い感じで危険は無い、と判断を下したので結局三人で飲むことになった。今はそれを迂闊だったと、まだまだ未熟な自分を呪う。 異変は起きた。 今朝起きると、妙に身体が熱っぽくてだるかった。風邪でもひいたか、と少し痛む節々をさすりながら、トイレへ向かう。 そこで用を足そうとした獄寺は、驚愕に目を剥いた。一気に眠気が吹き飛ぶ。 ついているはずのモノが無いのだ。 目を何度擦っても、見慣れた器官は現れない。震える手で恐る恐る確かめると、そこにはふっくらとした女性器が息づいているだけで、他には何も無い。 「嘘……だろ、おい……」 ガンガンと頭の中で警鐘が鳴り響き、ドクドクと大きな音を立てて騒ぎたてる胸に手をやれば、そこにも柔らかな膨らみがあって、獄寺は思わず手を離してしまう。 よく見れば、手だって指が細く手のひらが小さくなっているし、肩だって薄く頼りない。ズボンは裾を床に引き摺っていたし、腰周りが大分緩い。 横の洗面所に走り、鏡に顔を映し出せば、色素の薄い髪が元気良く外に跳ねた美少女が一人。緑がかった目は勝気そうに吊り気味で、しかも姉のビアンキに顔立ちが少し似ている。 薄紅色の唇が戦慄いた。 「あ、ありえねぇぇぇぇぇえええええっ!!!」 獄寺は、女の子になってしまっていた。 ぐるぐる疑問や不安が渦巻く胸中が、どうにか少し落ち着いてきたところで、綱吉に仮病を理由に欠席することを連絡すると、獄寺は明晰な頭を冷静に働かせて記憶を辿っていく。 結果大体いつもと同じ行動パターンの中で、一つだけ引っかかったもの。シャマルの差し入れドリンクだ。どう考えても原因はそれしか考えられない。怒りの炎が心の中で燃え盛る。 ただ一つ気がかりなのは、綱吉に電話した時、彼は普通に応対していた。もし女性化していたのなら、もっと混乱しているとか焦っているとかしているはずだ。ということは、彼はなんら変化がなかったということで。そこだけがどうにも腑に落ちない。 しかしじっとしていても元に戻る保障は無い。原因究明を図るべく、獄寺は身体の線が出ないように慎重に服を選んで、家を飛び出した。 「どーも、反応が出たのはお前だけみたいだな」 獄寺の実家で専属医をしていた頃のように、額に手を添える。他の医者のように、やれ聴診器を当てるから服を捲れだの、喉を見るから口を開けろだの煩わしいことは一切せずに、具合が悪い部分を簡単な触診で的確に見抜いて処方箋を書くという彼の診察は楽だから、あの頃は一番好きだったとも言える。 「発熱してるけど、まあ問題ねーだろう。それに都合がいいし」 「あん?」 胡乱げに見上げると、予想外にシャマルの顔が近くて獄寺は驚く。つけているフレグランスの香りが漂い鼻腔をくすぐる。 「おまえ、……近いぞ! 何寄ってきてんだ!?」 「んー? 可愛い女の子に触りたいと思って何が悪い?」 「ハァ!? ちょっ、馬鹿、やめろって!」 腕に閉じ込められるように背中に手を回された。嫌な予感にぞわりと背筋が粟立つ。真っ直ぐに獄寺を捉えた灰色の目は、口説くように大人の色香を滲ませる。 厚めの唇が、吸い寄せられるように獄寺の唇に迫る。べちん、と両手で獄寺はシャマルの口元を覆った。そのまま遠ざけようとして、力比べになる。 「んな――ッ!! 気色悪いんだよ! 第一オレは男だって知ってんだろ!」 「でも今は女だろ。ビアンキに似て美人だなぁ」 「見境ねえ…ホント最悪なヤローだな! それより、早く元に戻る方法教えろよ! さもないとここでダイナマイトぶっ放すぞ!」 手のひらをべろりと舐められて、思わず鳥肌を立てた獄寺は手を離す。本能的に身を守ろうとして、素早くズボンのポケットから煙草を取り出した。ビリビリと殺気がシャマルを突き刺したが、彼は気にしない風に首筋に顔を埋めてくる。 触れる吐息のくすぐったさに、獄寺は思わず肩を竦めた。そして低く唸りながら愛用しているジッポーの蓋を開いた。シャマルはそれを片手で制する。 「てめえ、本気で殺されたいか…?!」 「まーまー、大人しくしてろって。元に戻りたいんだろ? 今戻してやるから」 「って言いながらおまえは何をしてんだよ!?」 身を捩る獄寺をまさぐる手を止めて、シャマルは顔を上げた。至極真面目な顔をして言う。 「何って、治療」 「は!? ふざけんじゃねーよ、これのどこが」 「この症状の治療法はセックス。優しくしてやるから怖がらなくていいぞ」 「嘘つけ!! っ、触んじゃねー!!」 にわかに信じることが出来ず、瞬く間に服のボタンを外していく手を必死に留める。けれど、やはり男と女の差は大きい。体格と筋力の圧倒的な違いで、服の隙間から容易く侵入されてしまう。硬い指先が柔肌を撫でた。 次いで、軽く体を抱き上げられる。精一杯暴れてもびくともせずに、仕切り代わりの白いカーテンの向こうにあるベッドに放り出された。身を起こそうとするところを、長身が覆いかぶさって身動きが取れなくなる。もがこうにも手首を掴まれ、脚を膝で押さえられていては敵わない。 「冗談止めろっていってんだろーがっっ!! 馬鹿、どこ触っ……ンンー!!」 「無理やりはあんま趣味じゃねーんだけど、治療だし。愉しませてやるから我慢しろな」 シュルリと元から緩んでいたネクタイを解き、シャマルは獄寺の口に噛ませた。どこぞのブランド品だから質はいいが、不快なことに変わりはない。くらくらするほど頭を振って、獄寺は嫌悪感を表した。しかし猿轡はしっかりと巻きついて外れない。 趣味じゃないと言いつつも、手際のよさを存分に発揮したシャマルは、淡々とシャツのボタンを外し終える。すぐに露になった、女性用の下着を持つはずも無い獄寺の小ぶりな胸を見て、「これはこれでそそるけどな、形崩れたらどうするんだよ」と眉尻を下げて緩く首を振った。 「あと、一応隣の隣は職員室だから、あんまりよがり声もあげてくれるなよ。朝からずっと身体熱いんだろうけど、漏れ聞こえたら困る。この学校は可愛い娘が多いから、まだ追い出されたくはねーし」 よがり声なんてあげるか!と鼻息も荒く憤慨した獄寺だったが、肌蹴られた胸の突起を優しく揉まれれば、火をつけられたように体の芯が熱くなった。んっ、と悩ましげな吐息が鼻梁から抜ける。 自分の敏感な反応に狼狽する獄寺に、シャマルは目を細めた。 「男に戻るまで媚薬効果も消えないからな」 その言葉は呪いの宣告のように、獄寺の耳に響く。いくら薬の所為といえども、抵抗も受け流されてこういう風に辱められ、自身の矜持を傷つけられることが許せなかった。 昨日の自分を殴り飛ばしてやりたい衝動に、心底駆られる。悔し涙が目の端に滲んだ。 →next |
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