共存理由 深夜、意外に質素な獄寺の部屋に相応しい、缶ビールと安いパックのつまみで乾杯。 照明を消した暗い室内に、借りてきたDVDが流れる。 溢れる音と映像よりも、それを見ている獄寺の表情を鑑賞していた雲雀は、すでに三本目になるビールを乾し、四本目を引き寄せながら、ふと口を開いた。 「君はどうして僕の隣にいるの?」 テレビ画面から視線を外さないまま、獄寺が躊躇わずに答える。 「だってお前、ピーナツだろ」 プルトップを起こそうとした指から力が抜けた。 「……どういう意味?」 ごついアクセサリーに彩られた指が、新たにつまみのパックを破る。 「オレも、10代目も、山本も柿の種派なわけ。ピーナツ派はリボーンさんとお前。だから」 『柿ピー』とプリントされたパックから零れ落ちる中身のうち、ピリッと辛いおかきだけが獄寺の口に運ばれた。 「そう」 当然のようにこちら側に選り分けられたピーナツを齧れば、独特の甘みと塩気が口の中に広がる。 ぬるくなりかけのビールを喉に流し込む間、ポリポリと柿の種を齧る音が止まない。 薄い色の目は、相変わらず画面に吸い寄せられたままだ。 (別にピーナツしか食べないわけじゃないけど) 柿の種を爪先で弾くと、雲雀は二つ目のピーナツを摘んだ。 |
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